「2001年宇宙の旅」の感想

やっと観ました「2001年宇宙の旅」。10代の時に初めてレンタルビデオで観て挫折し、どこかでもう一回観て挫折し、最近「DUNE/デューン 砂の惑星」とかいうSF映画が話題になってたから、そういえば「2001年宇宙の旅」最後までちゃんと観てないから挑戦してみようと23年振りに観てみました(砂の惑星はまだ観てません)。頑張りました、5日かけて細切れに観ましたよw

というのはこの映画は雰囲気や世界観を感じさせる為に、音楽や映像美を芸術的に一方的に長く見せつける部分があるものだから寝てしまうのです!すいません・・・。人の興味がそれないように巧みな展開で好奇心を煽るような手法では無いのですよ。

ここからはネタバレを含みます↓


自分で観た感想と色々な人のネット感想を比べて大筋は分かりました。人類の進化、そしてこの先も進化していく未来のことを描いているようです。それは人間が突然変異のように進化していくのではなく、他の地球外知的生命体の干渉により進化していくということのようです。きっかけは誰かがもたらしてくれるということですね。

一番最後の白い部屋のシーンでは主人公の老後のような姿があり、そこにもモノリスが現れさらなる進化を遂げます。それは宇宙規模の巨大な赤ちゃんでした。ここが難解、難解・・・。なぜそこで老後の自分の未来が見えたのか?今の肉体がどうなったのか?全然分かりません。むしろここは分からなくていいのかも知れません。それはまるで「一輪車に乗ってバックしながら砲丸投げするムジナ」(※1)みたいに意味がないものなのかも知れません。

最終的に赤ちゃんになり、宇宙から地球なのかどうか分からないけど星々を見下ろすようなあの演出は、全てを超越して無垢の気持ちで物事を見れば、今、私達が抱えている悩みや問題や争いなどは、ちっぽけだと告げているかのようでした。つまりあの白い部屋の出来事は禅の試験問題「祖師西来意(そしせいらいい)」ように難解な問いかけで、赤ちゃんのシーンはあるがままをそのまま感じればいいと、まさに道元の「身心脱落」や「仏道」を描いているのではないかと思いました。

この原作は小説で4作あるようです。その全てを読めばもっと深い考察ができるのかも知れませんが、一旦ここまでで区切りをつけて感想として記しておきます。

(※1)魔法陣グルグル10巻/衛藤ヒロユキ著