腸内細菌について思うこと

前書き
「あなたの体は9割が細菌」という本を読んで感想を書こうと思ったのですが、まずは私のぬかみそ、風邪、ニキビの話もしなければならないと思いました。かなり長くなりますが、私の経験から何か参考になったら幸いです。

風邪が治らない30代
ここ数年、私は腸内フローラを意識して食物繊維と発酵食品を食べるようにしてるんです。そもそものきっかけは風邪が長引いたからなんです。若い頃は風邪っていうのは寝れば治ったんですけど、30代のある時にワンクール薬を飲んでも治らなかったんです。2クール3クールと薬を飲み続けても喉が痛い、咳が出る、痰が出る、という症状が続いた訳なんですね。薬のこともよく分かっていませんでしたね。病院で出されるままの薬を飲んでいました。長引いてるからこの種類の薬を変えてみましょうって言われたりして、自分で調べようともせずに飲み続けてました。

何で風邪って起こるんだろう?何で風邪に効く薬がないんだろう?と調べたところ、どうやら風邪というのは色々な種類のウィルスで、どれも同じような症状を起こすそうです。それらウィルスに効く薬は存在していないらしいんですね。それが作れたらノーベル賞ものだと言われていることをその時初めて知ったんです。そうすると、風邪の時に出されている薬は一体何だ?と思った訳なんです。

調べてみると、喉痛などの炎症を軽くするだとか、アレルギーを抑えるだとか、ウイルスとは別に入ってきた細菌をやっつける抗生物質というものを処方されていたようです。抗生物質というのは、体内に侵入した悪い細菌をやっつける素晴らしい薬ですが、一方で自分の体内に入る良い腸内細菌までもやっつけしまうとか。そうなると免疫系が上手く機能しなくて余計に治らなくなるということ。でも、それを補助するように腸内細菌を増やす薬も処方されてた訳です。やっつけられた分だけ補充しているのにどうして風邪が治らないんだろうとも思った訳です。

そして調べていくとあったんですね、免疫系である「腸内のバランス」を整えることで風邪にかからないっていう情報が。風邪にかからないってことは、風邪が治るというのことなんじゃないかなぁと思いましてね。腸内細菌とか腸内フローラかというものの「バランス」が整っていると、健康になるだけではなく痩せるとか美肌になるとかもあった訳です。「バランス」・・・、ここでピンときたんですね!


家族で唯一ニキビ
私は10代後半の時に朝昼食べないで夜だけの食生活でした。しかもハンバーガーセットを食べるのが楽しみだったんです。その時はこの食生活がニキビ肌になるとは知らずに何ヶ月も続けていました。案の定ニキビ肌になったんです。家族で誰もそんな人はいないのに私だけなんです。でも、家族で唯一アトピーなんですね、だからそういうのもなりやすいのかなあ、なんて思ったりしていました。

色々な洗顔ホームを試し、色々な化粧水を試し、使い始めの一瞬は治るんだけどまた再発するんです。その繰り返し。ついには皮膚科まで行きました。皮膚科で何かの光を当てられたり、塗り薬をもらったりするけども、やっぱりその瞬間は治りますが再発するんです。そんな生活をしていた時に、全く関係ないことからニキビが治ることになるんです。


ヤブ医者と無知な私
家には犬がいましたね、山で遭難というか迷子になってる成犬を母が保護したんです。飼い主さんを探したけど見つからなくて、それで家で育てることになったんです。保護した時からフィラリアにかかってて、動物病院で薬をもらってたんです。動物病院っていうのは近所のところに行くっていうのが田舎ではお決まりでした。もらっているフィラリアの薬がどうも体に合わないみたいで、飲んだ翌日は信じられない位ぐったりしちゃって、元気がなくておとなしくなっちゃうんですよ。病院で先生に聞くと、そういうものだと言われました。近所のジロウの飼い主さんに聞いても同じ症状出るとのこと。無知な私は、薬飲んだらこうなるのが普通だと思っていたんです。でも母はこう言いました。「薬が効き過ぎるんじゃないか?合わないんじゃないか?薬でこんな風にぐったりしちゃうことはお母さんもあるけどしんどいんだ。そういうのはあんまりいい薬じゃないから他のに替えるよ。」ということでした。また病院の先生に聞くと、フィラリアの薬はこれしかないから飲み続けるしかないとのこと。

そうして犬のフィラリアの薬で悩んでいた時、お散歩先の公園でよく会う白い犬の飼い主さんにこの話をしてみたんです。その人はそこの動物病院でひどい対応にあったそうです。引っ越して来る前の他県の掛かりつけの獣医さんに相談をしたら、そこで働いていた人が独立してこちらの県に動物病院を開業したということで行ってみたそうです。そしたらやっぱり対応が全然違って、犬がつらそうになるようなことはなかったそうです。開業した先生はとても厳しいそうで、食べ物は絶対に手作りでないといけないと言ったり、処方された薬を自己判断で途中でやめたら、「薬は出したくないが最小限の分しか出してないんだから飲みきって下さい!」と怒られたとかあったそうです。それも意味があるから言っていることだし、寄り添って診察してくれるしとても信頼していると言っていました。そんなに信頼しているならその獣医さんのところに行ってみようと決断しました。


素晴らしい獣医さんとの出会い
動物病院に行くと、フィラリアの薬は他にもあるということ、以前の病院で処方されていた薬はすでにフィラリアにかかっている犬には与えてはいけない薬だということが分かりました。一種類しかないと言われていたのは、その病院で取り扱っている薬が一種類しかないという意味で、フィラリアの薬は他にもあったんです!とんでもないヤブ医者にかかったものです・・・きっと今ならニュース沙汰でしょうね。無知な飼い主が苦しませてしまったことを心から悔やんでいます・・・。

診察が一段落した時「食べ物は何を与えてますか?」と聞かれました。あ、これですね、紹介してくれた知人から聞いてますよ。「缶詰の柔らかいやつとカリカリの乾いたやつと半分ずつで、パッケージ写真が家の犬に似てるやつです。」と自信を持って答えると、そういうことじゃなかったみたいなんです・・・。そもそもペット用として販売されているものは、先生が自分で大学の遠心分離器にかけたら栄養というものは、1割くらいしか入ってなくて9割が油だったそうなんです。なぜかというと、犬が食べなければ飼い主はその製品を買わないからなんです。犬が食べるようにする為には美味しいと思わせることだそうです。油というのは脳が美味しいと思い喜ぶそうなんです。それから匂い、美味しそうな匂いがすることで食欲を増し食べたいと思うそうです。これには合成香料という化学物質が使われています。だからうんちが臭いのは納得しました。それからペット用に作られている材料は、人間用に販売できない材料を使っている可能性が高いそうです。例えば、農薬の基準値を超えた、腐った、カビが生えた、病気で死んだ家畜などです。こう行ったものは処分するにもお金がかかるので、タダや低価格でも引き取ってもらえたらありがいそうです。

ペット用食品は人間と違って基準が設けられていない上に表示も決まりがないそうです(1990年代後半当時)。メーカーが勝手に表示をすることができるので、その表示が嘘の可能性もあるとのこと。先生は新聞の記事も見せてくれました。ペットフードを食べさせていたら皮膚病になり、毛抜け、乾燥、湿疹、出血の症状が続いたという内容でした。

「ドッグフードを置いといてもカビ生えないでしょ。食べ物を長期間置いといてカビが生えないっていうのは、防腐剤を入れてるってことなんですよ。そんな添加物いっぱい入ってるもの食べたら体悪くするに決まってます。」確かに先生の言っていることは頷けます。そこで先生は、加工品ではなくて手作りするように強く勧めました。これは絶対守って下さい。これができなければどんな薬を飲んでも治りませんとまで言いました。


獣医さんのおかげでニキビが治った!
犬の食事の手作り方法はこんな感じです。「犬は狼の子孫です。狼は肉食なんですね。ネズミやウサギを食べています。犬も肉が必要なんです。そんなに高い肉は必要ありません。スーパーで安く売っている鶏の胸肉でいいです。それから犬は散歩にいくと鋭い葉っぱ食べてるでしょう、消化を促すんですけど、その代わりになるのがキャベツです。胸肉とキャベツをグツグツ煮て火が通ったら冷まして、茹で汁ごとご飯にかけてあげて下さい。量は食べれるだけあげて下さい。骨つきの鶏肉は喉に刺さるからあげないで下さい。ネギ類は赤血球を壊してタマネギ中毒起こすから絶対にあげないで下さい。牛丼なんかに入ってる玉ねぎを箸で取り除いても、成分が入っているから絶対にあげないで下さい」とのことでした。

後日先生に教えてもらった通りに作ってみたんです。犬の食いつきが全然違いました!いつもはおすわりしながら食べてるのに、四本足で立ってムシャムシャと美味しそうに食べてました。これに味噌を溶いて自分で食べたら立派な食事になるじゃないかと思ったんです。それから毎日大きな鍋で胸肉とキャベツを煮て、出来上がったら自分用に半分を別の鍋に移して味噌を溶いて、それをご飯にかけて食べてました。だんだんとアレンジするようになって、人参、わかめ、玉子、納豆などを入れたり、ネギ類を入れたい時は別鍋に移してから入れたり。この食事を始めて少し経ったら何とニキビが治ったんです!

今思えば脂質が少なく野菜を取っていたから、腸内細菌のバランスが変わり善玉菌が増えて悪玉菌が減ったからだと思うんです。実際にその時は顔から出る油分が少なくなっていたので、アクネ菌が繁殖していないという実感を得ておりました。そんな経験もあるので食べ物が体に影響するということはよく分かります。とはいっても、私は当時17歳。それからの20代、30代は自炊する気力が残っていないほど社会に出て仕事をしていました。


腸内細菌を整える努力は続く
さて、話は風邪が長引いた30代に戻りますが、腸内細菌を育てるには食物繊維と発酵食品が役立つということが分かりました。あの獣医さんに教わったレシピから18年後、自分でぬかみそを作ることにしました。子供の頃親が作っていましたが、いつしか親は面倒くさいと作らなくなりましたが、祖父母宅に行くといつもぬかみそがありました。これが発酵し過ぎて酸っぱいんです!自分で作るようになって、酸っぱくなったら足し糠をして細菌のバランスを整えるという技も覚えました。食物繊維を多く取るように芋類も食べるようになりました。するとお通じの質が変わるんです。柔らかくて、スルンと出て、出す時に負担がかからず、臭くなくて量が多い。こんなに質の良いものが出るなんて!と感動しました!量が多いのは食物繊維の影響で細菌が増えているかららしいので、それを見ると「おぉ、こんなに細菌が育っているのか」と嬉しくなります。腸内細菌のことを調べ漁っていると、欧米人の便の量は少なく狩猟採集民の便の量は多いというものを見つけました。これは芋や豆など食物繊維の多い食事を取っているからだそうです。そして狩猟採集民にガン、肥満、糖尿病、アレルギーはいないそうです。


本の感想
そんな経緯のある私が「あなたの体は9割が細菌」という本に出会った訳です。それによると、腸内細菌が出す神経ホルモンが脳に影響して、うつ病、ADHD、統合失調症、自閉症など心の病気に関わっているということが分かっているそうです。そしてこの病気の人は過敏性腸症候群も合併しているそうです。「全ての病気は腸から始まる」これは古代ギリシャの医者ヒポクラテスの言葉ですが、本当にその通りだなと思いました。

味方のはずの抗生物質が腸内細菌をやっつけてしまい、それが特に2歳までの幼少期にあると脳が発達する時期と重なるので自閉症などに影響しやすいとか。後々になって腸内細菌を整えたら症状が穏やかになりますが、脳の発達の時期を逃してしまっているので100%取り戻すのは難しいそうです。抗生物質が命を助けるのは大きなメリットです。しかし、やたらに使うものではないということも心しておかなくてはなりません。自分の体を人任せにしてはいけないのです。お医者さんが言ってるんだからその通りにしたという医者任せにしてはいけないのです。患者力を鍛えて、それがどういうものなのか自分にどう作用するのか、しっかり事前の知識と処方された後も調べた上で、先生にも相談し服用するのが良いのでしょう。

ニキビ、犬、医者との向き合い方、薬、風邪、食べ物、腸内細菌、私の中で全部が繋がっています。