ホロスコープアプリと星座アプリのずれを発見しました!【2/2】

前回の続きです。
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ぐらさん@astrogrammarおすすめの「Stellarium(ステラリウム)」というプラネタリウムソフトを導入しました。実際に星が動いている様子をシミュレーション映像で見ることができました。ソフトのおかげでだいぶ色々な疑問点が改善しましたよ。

ホロスコープは太陽の通り道である黄道を図にしたものです。黄道には黄経という一度ずつの刻があります。それがホロスコープの山羊座21度などというやつです。実際の空には黄経の他に黄緯というものがあって、黄道の外側内側(北側南側)に±何度なのかというもののようです。でもそれはホロスコープには描かれません!


先日の金星がホロスコープのASCの下にあるのに、実際には地平線の上に出ていて目で見えていた問題は、金星が黄道の外側(北側)の高いところにあったから起きた現象のようです。ホロスコープのASCとは、黄道と地平線が交わる場所で、ホロスコープ上でもそれは黄経度数で表示されているので相違はありません。だからハウスや5度前ルールは今までのままで大丈夫です。でも、もう見えているのに地平線の下である夜の場所扱い(ヘイズ)にするのは違和感があります。

金星は黄道の外側(北側)にあると実際には早く出てきてしまうんですね。その逆で、もし金星が黄道の内側(南側)にあれば、ホロスコープではASC上にあるので、実際の空ではまだ出てこないという現象が起こる訳です。もちろんこれは太陽以外の月、水星、金星、火星、土星、木星、天王星、海王星、冥王星すべてに言えることです。

AM6:27金星がASCの下
AM6:27金星が地平線の上


これらをふまえて思うこと
ホロスコープではまもなく2022年2月16日に金星と火星がコンジャンクション0度です。恋の金星と求める火星がぴったり重なり心踊るロマンスがありそうに思えます。でも、実際の空ではこの二つは黄経の度数が同じだけで黄緯が少し離れています。嬉しいロマンスがあるとしても、相手を気遣う距離感があるようにも見えます。

このままステラリウムの時間を進めると、金星は黄緯を下げて段々と黄道の線の内側(南側)の火星に近づきます。目で見てコンジャンクションと言えるのは、二つの黄緯が最大に接近する3月6日と言えるかも知れません。この日を過ぎると金星は勢いを増どんどん火星から離れていきます。
↓動画を見て下さい、こんな感じです。
https://youtu.be/qI34yxmji8E

黄経だけではなく黄緯も考慮することにより、その影響の強さは変わって来るのではないかという気がしました。月は分かりやすいですね、黄道の線の上にピタリと乗って太陽と重なったり、太陽の反対側になった時に皆既日食や皆既月食が起こる訳です。これもステラリウムの時間を進めて確認しました。

2020年12月21日に木星と土星はコンジャンクション0度でした。この時は黄経も黄緯もほとんど重なり、二つはまるで一つの星のように重なって見えました。だからこそ影響が大きくて世の中が変わったのだと思います。同じコンジャンクションでも黄緯により影響力が違うということを考慮に入れた上で、占星術をしてみるとより理解が深まるのではないかと思いました。ちなみに惑星同士が重なって見えることは「掩蔽(えんぺい)」(occultation)というようで、「食」(eclipse)や「通過」(transit)の仲間の意味のようです。

「食」じゃなくても新月や満月の影響はありますし、惑星の黄緯が離れていても私達に及ぼす影響は今まで通りあると思います。ただ、私は占星術を扱っているなら黄緯のことも考えた方がいいと思いました。そういえば敬愛する故ジョナサン・ケイナー氏が「掩蔽」「食」「通過」のことをよく言ってたな〜と思い出しました!

それと黄経黄緯は赤経赤緯のパラレルなどに繋がって来るのかも知れませんが、これは次の課題にすることにします。

あとがき
私は以前に音響の仕事をしていたんです。PC上で波形を見て音を合わせる他に、実際にスピーカーから音を出して、耳で聞いて体で感じることの大切さを経験しています。メーターもそれぞれ特徴があり、ピークメーターとVUメーターを使っていました。今回のホロスコープとプラネタリウムソフトと実際の星は、まさにその時と同じだと思いました!